会議中に、過去の失敗を繰り返し思い出してしまう。
話を聞いているはずなのに、気づけば数分前のことを考えている。
それは、性格の問題でも、集中力の問題でもありません。
感情が乱れて、コントロールできなくなっているだけです。
この記事でわかること
- 会議中に過去の失敗を繰り返し思い出してしまうのは、なぜなのか
- 感情が乱れると、なぜ「今、この場」に集中できなくなるのか
- その場ですぐに使える、たった1つの動作

「またこれだ」と、会議中に何度も同じ場面が蘇ります
多くの方から、こうしたご相談をいただいています。これまでのお客様の変化はこちらにも掲載しています。
あなたにも、こんなことはありませんか。
会議室に入った瞬間、あの日のことを思い出す。
似た言い方をされただけで、あの場面が蘇る。
頭では、もう終わったことだとわかっている。
それなのに、何度も同じ場面が再生されて、目の前の話に集中できない。
「また同じことを考えてしまった」と、会議のあとに自分を責める。
これは、気合いや集中力で止められるものではありません。
感情が乱れると、なぜ「今、この場」に集中できなくなるのか
脳は、特に未処理のまま終わった感情を、強く保持する性質があります。
怒りや悔しさ、「うまくいかなかった」という感覚をその場で飲み込むと、感情は消えたのではなく、保留された状態のまま残ります。
そして、似た場面――同じ会議室、同じような言い方、同じ空気――に出会うと、脳の中で「自動スイッチ」が入り、保留されていた感情が再生されます。
このとき働いているのが、感情の処理に関わる扁桃体(へんとうたい)です。扁桃体が強く反応すると、理性的な判断を担う前頭前野のブレーキが効きにくくなります。目の前の会話に注意を向け続けるための働きが、一時的に奪われている状態です。
意志が弱いからでも、集中力がないからでもありません。脳が、過去に処理しきれなかった感情を、今この瞬間に再生しているだけなのです。

S・Oさん(部長職)も、そのひとりでした
もう一人、実例をご紹介します。部長職のS・Oさんです。
S・Oさんには、ある日、自分の提案がその場で白紙に戻された、
という出来事がありました。
それ以来、その場所へ行くたびに、
あの場面が蘇るようになりました。

そのことは思い出したくもないんだけれども、
あの場所の近くに行って、
そのときの人の顔を見ると、
そこでもう思い出すし、
あの部屋に入って話をするときも、
ここでこういうこと言ってたんに違いない
とかってことを思い出したりするんです。
だから本当に面倒くさいんすよこれ
特定の場所、特定の場面に触れるたびに、同じ記憶が再生される。
それが、会議のたびに繰り返されていました。
S・Oさんに何が起きたか。整えるための、たった1つの動作
そのとき、わたしがS・Oさんにお伝えしたのは、「思い出さないようにする」ことではありませんでした。



思い出さないんだったら、
何を考えているんですか、
というふうに、
置き換えるものを決めてしまいます
思い出すこと自体を止めようとするのではなく、
思い出した瞬間に何をするかを、先に決めておく。
そのための動作として、S・Oさんにお伝えしたのが、
舌の先を上顎にあてて5拍で息を吸い、
力を抜いて口から5拍かけて吐く、
合計10秒の呼吸でした。
S・Oさんは、これを実際の会議の場でも使うようになりました。



この会議のときもよくやってるんですよ。
ちょっとリラックスしてるのは、上顎につけて、息をしてっていうことをやったりだとか
周りに気づかれない範囲で、その場で感情を整える。
それを繰り返すうちに、変化が起きました。
数ヶ月後、以前なら強い反応が出ていた場面
――元部下が人前で発表するのを聞く、という状況――で、
S・Oさんはこう話してくれました。



あのときのようなスイッチはもう入らなくなった感じですね
環境が変わったわけではありません。周りの人が変わったわけでもありません。
変わったのは、感情が乱れた瞬間に、その場で整えるための動作を、自分の中に持てたことでした。


気づいたその場で、すぐにできる整え方
考えを止めようとするより、体からアプローチしたほうが早いことがあります。
会議中に同じ場面が蘇ったときに使える、整え方の流れをお伝えします。
▼▼その場で使える整え方はこちら
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 今、何が引き金になったのか(場所・言い方・表情など)に気づく |
| 2 | 体のどこが反応しているか(胸・お腹・後頭部など)に意識を向ける |
| 3 | 舌の先を上顎にあてて5拍で息を吸う |
| 4 | 力を抜いて口から5拍かけて吐く(合計10秒) |
| 5 | この10秒を、落ち着くまで数回くり返す |
「たった、これだけ?」と感じるかもしれませんが、感情を無理に抑え込むのではなく、体の反応を整えることで、思考の主導権を取り戻していきます。
同じように、心を広げる別の動作はこちらの記事でもご紹介しています。
まとめ|会議中に過去の失敗を繰り返し思い出してしまう自分の変え方
会議中に、過去の失敗を繰り返し思い出してしまうこと。それは、性格の問題でも、集中力の問題でもありません。感情が乱れて、コントロールできなくなっているだけです。
1つ目は、何が引き金になったかに気づくこと。
2つ目は、体の反応に意識を向けること。
3つ目は、舌の先を上顎にあてて、10秒の呼吸で整えること。
S・Oさんが、その場で整える動作を自分の中に持てたように。
同じ場面が蘇ることそのものをゼロにする必要はありません。
起きても、その場で戻れることが大切です。
今度、会議中に同じ場面が蘇ったら、まずはこの動作を試してみてください。
よくある質問
- 何度も同じことを思い出してしまうのは、性格が弱いからですか
-
いいえ、性格の問題ではありません。未処理の感情が、似た場面で再生される脳の情報処理の仕組みです。意志の弱さではなく、脳の自動反応によって起きています。
- 頭では気にしなくていいとわかっているのに、なぜ集中できなくなるのですか
-
脳は繰り返した反応を強化します。同じ感情を何度も経験すると、その回路が自動化されます。そのため、理性では理解していても、感情が先に反応してしまうのです。
- 会議中に、周りに気づかれずにできますか
-
はい。舌を上顎にあてて、5拍吸って5拍吐く10秒の呼吸だけなので、机の下で足首を組む・腕を組むといった動作を足さなくても、呼吸だけで行うことができます。
- この動作をしても、また同じ場面を思い出すことはありますか
-
あります。大切なのは、思い出すこと自体をゼロにすることではなく、思い出しても、その場で整えて戻れる状態をつくることです。くり返すほど、再生される時間は短くなっていきます。
会議中に集中できなくなる自分を変える一歩を
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