人に相談できないのは、性格の問題ではありません。
「頼ったら迷惑をかける」
「弱いところを見せたら嫌われる」
これは思い込みというより、
脳に染みついた思考のクセです。
そう考えようとしているのではなく、
気づけばもうそう考えてしまっている状態です。
とくに個人事業主や経営者、管理職の方には、
「ひとりでなんとかするのが当たり前」
という思考パターンが根強くあります。
わたし自身も、そうでした。
変えるのは難しいと感じるかもしれません。
けれど、それを実際に変えた人がいます。
この記事でわかること
- 「助けてほしい」のに、人に相談できない本当の理由
- ストレスが、人に心を開くことを難しくする仕組み
- 一人で抱え込んでいたIさんが、頼れるようになるまでの実話

「助けてほしい」のに、誰にも言えません
多くの方から、こうしたご相談をいただいています。
これまでのお客様の変化はこちらにも掲載しています。
あなたにも、こんなことはありませんか。
今日も、本当は助けてほしかった。
誰かに、少しだけ聞いてほしかった。
でも、結局、誰にも言えなかった。
弱いところを見せたら、嫌われる気がして。
「こんなことで頼ったら、迷惑になる」
「自分には、その価値がないんじゃないか」
そう考えて、また一人で抱えてしまう。
これは、正しい答えを探すことでは変えられません。
「今、本当は何を感じていますか」と、
自分でも見えていない気持ちへ目を向けることから変わっていきます。
あなたは、精神的に弱くなったのではありません。
見る向きが違っていただけです。
相談できないのは、脳がストレスを感じているから
「自分には価値がない」
「人に頼ってはいけない」
これは、あなたの本音ではなく、脳がつくり出した思い込みかもしれません。
人とつながり、心を開くためには、
脳と神経が「ここは安全だ」と感じている必要があります。
ところが、ストレスを抱えたままだと、
脳は安全を感じられず、
人とつながるための神経のはたらきが、
静かにオフになっていきます。
代わりに動き出すのが、
闘うか逃げるか、
あるいは固まって動けなくなるか、
という防衛反応です。
これは、ポリヴェーガル理論という
神経科学の枠組みで説明されている考え方です。
安心を感じられないとき、
人と心を開いて関わるための神経系がオフラインになり、
防衛反応に切り替わっていく、
とされています。
わたし自身、
これまでたくさんのお客様と接してくる中で、
同じことを感じてきました。
ストレスの状態がゆるむと、
心を開くことが、自然と進んでいく。
逆に、ストレスを抱えたままだと、
どれだけ「話してくださいね」
と言われても、話せない。
意志が弱いからでも、
甘えているからでもありません。
脳が、ストレスから自分を守ろうとして
出した結論なのです。
H・Iさんも、そのひとりでした
H・Iさん(お客様の声より)も、そのひとりでした。
「最近特に、自分には価値がないんじゃないかと感じる」
「人に依頼する事、頼む事、迷惑をかけると感じる事が苦手」
「助けてもらえないと、1人では求められるタスクに対応できないと思っているので、自分の要望を優先すると、困った時に助けてもらえないかもしれない、と言う恐怖感もある」
「相談できる人がいない」
そう振り返っています。

Iさんも、そうでした。頼った先に、何が起きたか
もう一人、実例をご紹介します。会社役員のIさんです。
Iさんは、専門知識を持つ人材が次々に会社へ入ってくる中で、こう感じていました。

あ、俺にはちょっと能力ないんちゃうかな
こいつらがバッと動いていけば、もう俺いらんのちゃうか
そんな考えが浮かぶようになり、
一人で抱え込んだまま、
何でも自分で判断して突き進んでいました。
その結果——



何でも自分で判断して、やってしまったのが、
ちょっと大失敗をしてしまった
得意先を巻き込む大きな失敗でした。
そのとき、わたしがIさんに返したのは、
答えを教えることではありませんでした。
Iさんが



みんなが連携を取って、ちゃんと確認してやっていかないといけない
と、ご自身の言葉で振り返ったのを受けて



自分軸のもう一つ上には、社会軸がある
という言葉をお伝えしました。
自分の内側だけを整える軸の、もう一段上に、
周りの人とつながりながら実現していく軸がある、
という意味です。
Iさんは、そこから、
仕事仲間との朝のミーティングに、
自分から参加するようになりました。
毎日その日の目標と振り返りを記録し、
人に共有する習慣も始めました。
しばらくして、Iさんはこう話してくれました。



人と話することって、結構大事ですよね。1人だとどうしようかな、みたいなのが、話すと2秒、3秒で解決したりすることがあります。提案もらって、あ、そうやったらええね、とか。もしくは、俺やっといてやっとくからええよ、って言われたら、お任せできたらよかった、とか。預けて、俺やっとくわ、って言われたら良かった、みたいな。持ちつ持たれつ、みたいなところがありますよね
1人だけで考えてると、やっぱりそのPDCAのサイクルがちっちゃくなっちゃうから。私はこうやった、って人のアイデアをいただくことで、そのPDCサイクルが違う風に回っていく
環境が変わったわけではありません。
周りの人が急に優秀になったわけでもありません。
変わったのは、
一人で抱え込む代わりに、
人に預け、人の力を借りるという選択肢を、
自分の中に持てたことでした。
思い込みに気づく3つの方法
Iさんのように、頼れる自分に戻っていくために。
「また、一人で抱えてしまった」と気づいた夜は、
次の3つを順番に行ってみてください。
1つ目は、
今の気持ちに、名前をつけること。
「本当は、助けてほしい」と、
いちばん近い言葉を、1つ選んでください。
2つ目は、
浮かんだ思い込みを観察すること。
「頼ったら、迷惑になる」という言葉の頭に、
「いま、こんな思い込みが浮かんでいる」と加えてみてください。
思い込みと自分の間に、距離ができます。
3つ目は、
今わかることへ戻ること。
「まだ、誰にも話していない」
「頼んだら本当にどうなるかは、まだわからない」。
答えのない不安を、
急いで「頼れない」で埋めなくていいんです。


気づいたあとに、意外なほど簡単な「ある動作」
考えを言葉にするだけでなく、
もう一つ、お伝えしたいことがあります。
ぐるぐる脳ほぐしメソッド®は、
気づいて、言葉にして終わる方法ではありません。
気づいたあとに、仕事の合間にもできる、
意外なほど簡単な「ある動作」を挟みます。
「たった、これだけ?」と
感じるような動作を使って、
縮こまっていた心を、また広げていきます。
▼▼心を広げる「動作」はこちら
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 大きなハートを描くように、両腕を大きく動かす |
| 2 | 動くときは、息を吐く |
| 3 | 吐き切ったところで、腕が止まったら一気に息を吸う |
| 4 | 遠くへ遠くへ広がっていくイメージで行う |
同じように、目を大きく動かす別の動作はこちらの記事でもご紹介しています。
日々のちいさな「できた」に気づく習慣として、
寝る前に◯つけ日記(今日できたことに◯をつけるだけの日記)を合わせて行うのもおすすめです。自分に小さな許可を出す習慣が、思い込みをゆるめていきます。
まとめ|弱いところを見せたら嫌われる気がして、一人で抱え込んでしまう自分の変え方
人にあまり相談できず、一人で抱えてしまうこと。
弱いところを見せたら嫌われる気がすること。
どちらも、性格の問題ではありません。
ストレスを抱えた脳に染みついた、思考のクセです。
1つ目は、今の気持ちに名前をつける。
2つ目は、浮かんだ思い込みを観察する。
3つ目は、今わかっていることへ戻る。
そして、必要なときは、
仕事の合間にも行える小さな動作を挟んで、
縮こまった心を広げる。
Iさんが、一人で抱え込む代わりに、
人の力を借りるという選択肢を持てたように。
「頼ったら嫌われる」と感じることと、
本当に嫌われることは同じではありません。
今夜は、「一人でなんとかしなきゃ」ではなく、
「いま、助けてほしいと感じている」と、
言い換えるところから始めてみてください。
よくある質問
- 気づいても、まだ怖くて頼れません
-
すぐに頼れるようにならなくて大丈夫です。「まだ怖い」と、いま起きていることを、そのまま観察します。頼れていない自分まで責めないことが大切です。
- 頼ったら本当に迷惑になりませんか
-
迷惑になるかどうかは、頼ってみるまでわかりません。わからない段階から、自分の人格まで否定する必要はありません。頼るという行動と、あなた自身の価値は分けて扱います。
- 「自分には価値がない」という感覚は、いつか自然に消えますか
-
気づかないままだと、同じパターンが繰り返されやすくなります。気づいて、言葉にする回数を重ねるほど、思い込みは少しずつゆるんでいきます。
- 誰にも本当に相談できることがありません
-
この状態が長く続き、睡眠や仕事、食事へ影響しているときは、一人で抱え込まず、医療機関や心理の専門家へ相談してください。助けを借りることは、弱さではありません。
気づいて、頼れる自分に戻る一歩を
ここでお伝えした考え方の全体を、「ぐるぐる思考が1分で止まる」方法体験セミナーでお話ししています。ご自宅で、すきま時間にご覧いただけます。


この記事をまとめた小冊子はこちらから
【小冊子】経営者・リーダーのための「脳」から変える「頼る」技術】









